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私たちはもう、ただの同僚に戻れない~無垢OLはライバル同期の激しい劣情を知る~

「若菜が好きだ。好きなんだ……」

あらすじ

「若菜が好きだ。好きなんだ……」

文具メーカー勤務の若菜には、犬猿の仲の同期・拓海がいる。いつもからかっては不敵に笑う、腹立たしいムカつく男。そんな彼と社内コンペで「勝ったほうが相手に何でも一つ言うことを聞かせる」というゲームをすることになり、採用されたのは拓海の企画だった。そして彼の“お願い”は、まさかの告白。過去のトラウマから信じられず、冗談だと突っぱねるため「じゃあ、私とセックスできるの?」と吹っ掛けた若菜。だが拓海は一歩近づき、低い声で静かに肯定する。歯に衣着せぬ挑発にも揺らがず、自信満々に笑う拓海。さらに秋波を送ってくる彼に、胸がとくりと跳ね、若菜は慌てて目をそらした。「酔いが覚めたら後悔するかも。私も、あんたも」「しないよ。俺は後悔なんて絶対しない」犬猿の仲だったはずの二人の関係は、その夜、ゆっくり――けれど確かに変わり始める。

作品情報

作:Adria
絵:千影透子

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12/12(金)各ストア様にて順次配信開始!(一部ストア様にて予約受付中!)

本文お試し読みプロローグ

プロローグ

「俺の気持ちを証明してやる」
 その言葉とともに紫水《しすい》若菜《わかな》の唇に温かいものが触れて、キスをされたのだと気がついた。わけが分からなくて、キスをしてきた栗野《くりの》拓海《たくみ》の胸を押しのけようとするが、若菜の思いに反して強く抱きしめられる。
 この男は、若菜にとってずっとライバルだった。彼はいつも若菜に突っかかってきたし、どちらかといえば犬猿の仲という言葉がしっくりくるような間柄だったのに……。
 それが今は一転して愛おしい者を見るかのような眼差しを向けてくる。だけど、少しつらそうだ。
(どうしてそんな目で見るの?)
 唇を奪われた自分ではなく、なぜ彼のほうが困り顔なのだろうか。
 若菜はどうしたらいいか分からず、ただ拓海の顔をジッと見つめることしかできなかった。
 そうすると、こんなにも近くで彼を見るのは初めてだということに気がつく。
 人懐っこそうな雰囲気と目鼻立ちの整った相貌。はだけたシャツの隙間から見える逞しい胸板。普段はすっきりと整えられている髪は乱れていて、妙な色気を醸し出していた。それだけでも動揺するには充分なのに、彼の瞳の奥ではなぜか情欲の炎が揺らめいている。彼は若菜のことを異性として見ていないと思っていたのに――
(もしかして……あの告白は本当だったの?)
「栗野……」
 震える声で慣れ親しんだ彼の苗字を呼ぶと、彼が不敵な笑みを浮かべる。見つめられることに耐えかねて、若菜が目を逸らすと顎を掴まれ強引に目を合わせられた。
「どう?」
「ど、どうって、何が?」
「俺とのキス。嫌じゃなかった?」
 不思議と嫌ではなかった。ライバル視している男相手に、自分でも――らしくないと思うが、あまりにも拓海が必死なせいか、戸惑いこそすれ、嫌悪感はなかった。互いに酔っているせい、だろうか。
「そうは思わなかったけど……明日は分からないわ。酔いが覚めたら、後悔するかも。私もあんたも」
「しないよ。俺は後悔なんて絶対しない」
「……っ」
 拓海は力強くそう答えて、また唇を合わせてきた。ちゅっと甘ったるい音とともに、彼の舌があわいを割って遠慮なく口内に押し入ってくる。誘うような動きで歯列や上蓋をなぞると、ゆっくりと舌を吸い出し甘噛みされた。
「ん……っ、んぅ……」
 若菜は拓海のように後悔しないと言い切れなかったが、してもいい気がした。今はお酒のせいにして、少しだけ心を開いてみたい。その欲求に従い若菜がそっと目を閉じると、互いの舌を絡め合う淫らな水音が頭の中に響き、徐々に思考が甘く濁っていく。
(どうしよう。私、変……このキスを気持ちいいと思うなんて)
 若菜がキスに酔いしれている間にも、彼の手が忙しなく動いている。着ているものを乱されていくのを感じながら口内を這う彼の舌に背筋がゾクゾクした。
「若菜……」
「んっ……ふぅ……っ、名前……呼ばないでっ」
 キスの合間に愛おしげに呼ばれる自分の名前に、なぜか胸が高鳴っていく。まるで本当に愛されているみたいで、ひどく混乱した。
「どうして?」
「だって……変だものっ」
 この気持ちをうまく伝える言葉が見つけられず目を逸らす。
 いつしかブラウスは脱がされブラも取り払われていて、露わになった胸を拓海の眼前にさらしていた。彼の視線に炙られているような感覚に、胸の先端が硬くなっていく。
(は、恥ずかしい……!)
 両腕で胸を隠すと、やんわりとどけられ、彼は若菜に見せつけるように、胸の先を指でくりくりと弄びながら笑った。
「それじゃあ了承してやれないな。これからは俺の好きなように呼ぶよ」
「あっ、やぁ……ばか、くりのっ……んっ、ぅ」
「若菜も俺のこと、拓海って呼べよ。今だけでいいから」
 両胸の先端を柔らかく摘み上げられ、両方一緒に優しく捏ね回される。同時に、拓海の熱い舌が若菜の口の中を蹂躙した。得も言われぬ快感に思考がどんどん鈍っていく。
「なぁ、頼むよ。拓海って呼んでくれ」
 まるで懇願するみたいにキスの合間に乞うてくる彼に、若菜は弱々しい声で「拓海」と口にした。
 その瞬間、とても幸せそうに彼が笑うから、若菜の混乱はさらに増した。
「ど、どうしてそんなに嬉しそうなの? たかが名前でしょ」
「若菜に呼んでもらえたからに決まってるだろ。まるで自分の名前が宝物のようにきらめいて聞こえる。すごく嬉しいよ」
 拓海はよく分からないことをのたまいながら、自身のシャツのボタンに指をかけた。一つずつボタンが外されていくたび、彼の逞しい肉体が露わになる。服を着ていると分からなかったが、意外と鍛えているようで、腹直筋が描《えが》くラインが美しい。
 うっかり見惚れそうになって、若菜は慌てて視線を引き剥がした。
「あんた……もしかしてめちゃくちゃ酔ってる? 今すごく馬鹿なこと言ってるわよ」
「うるさい。もう黙って」
「んぅ……っ」
 途端、手を掴まれて頭上で束ねられてしまう。若菜が足をばたつかせると、またキスされた。唇を食まれ、口内に入ってきた彼の舌が若菜の上顎を舐る。
 彼は唾液を纏わせた舌をすり合わせ、絡めて吸う。くちゅくちゅという淫らな水音が耳に響いて、少しずつ思考を奪っていった。頭の中も身体も、唇も、押さえられている手も……全部が熱を持ったように熱い。
「たく、み……っ」
 ゆっくりと唇が離れると、次は首に彼の唇が触れた。そこから鎖骨へと滑るように拓海の舌が這うと、また甘い痛みが走ってぶるりと肌が粟立つ。
 自分たちは明日から今までどおりでいられるのだろうか。そんな疑問を頭の隅に追いやり、若菜は目を閉じた。

(――つづきのお試し読みは各ストア様をご覧ください!)

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