「……可愛くて愛しい。このまま閉じ込めてしまいたくなるくらい」
あらすじ
「……可愛くて愛しい。このまま閉じ込めてしまいたくなるくらい」
憧れのスパダリエリート幼馴染・京と、ひょんなことから恋人同士になった桃。彼の腕の中で初めて愛された彼女は、優しさと情熱に心も体も溶けていく。大好きな人と一つになった幸せに浸りながら、何度も快感に溺れた夜が明け、迎えた翌朝。目の前には、誰よりも完璧な彼氏が微笑んでいる。「神様、本当にありがとう……」拝んだ瞬間、彼女は驚いた。京の頭上に、謎の膨大な数字が浮かび上がっているのだ。戸惑いながらも数字を探ると、どうやらそれは『××の経験値』らしく!?「桃は俺のものだ。絶対、誰にも触れさせない」京が秘める桁違いな感情と重すぎる執着、数字の正体を知るその時、策士な彼からもう逃げられない――!
作品情報
作:泉野あおい
絵:千影透子
配信ストア様一覧
10/11(金)各ストア様にて順次配信開始!(一部ストア様にて予約受付中!)
本文お試し読み
プロローグ
「桃《もも》、こっち向いて」
「なに? 京《けい》くん……ンッ」
最初は楽しく過ごしていたのに、ソファで隣り合わせに座っていると、顎に手を添えられ、上を向かされて唇が重なった。
初めてのキスは、甘くて少しワインの香り。ワインはさっき飲んだからだ。
目の前に京くんの端整な顔があって、ついキスの間も見てしまう。
やっぱりかっこいい……。
うっとりしたまま何度かキスをしていたら、京くんは突然、私の膝の裏に腕を入れて軽々と私を抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこに驚いたけど、彼の首にそっと腕を回した。
「どこに行くの?」
「桃をもっとかわいがりたくなっちゃった。ダメ?」
言って彼は目を細めて笑う。リビングの横の部屋まで運ばれて、そのままベッドの上に横たえられた。
さすがにこうなったら、いくら初めての私でも今後の展開は想像できる。
「だ、ダメじゃないけど……」
はじめてだからこそ緊張はする。
見上げると、彼の綺麗なブラウンの瞳が私を見つめていた。その瞳にもうっとりとしてしまう。
京くんは私の髪を撫でながら優しく聞いた。
「桃、怖い?」
「ううん、大丈夫。京くんはひどいことしないって分かってるから」
「ずいぶん信頼されているんだな。でも、俺は思ったより余裕がないんだ」
困ったように微笑む彼もかっこよくてまた見とれてしまう。
ベッドの上で何度もキスをされ、全部脱がされた。そこまではよかったのだけど、彼が触れた時、なんだか恥ずかしくて笑ってしまった。
「くすぐったいっ」
こんな時に笑うなんて困らせてしまう場面だろうけど、彼もクスリと笑って、私の浮いた腰に手を差し込んだ。
と思ったら動けないままの私の乳首を口に含んだ。
「ふぁッ……ンんッ!」
初めての刺激に変な声が飛び出る。だけど、さらに熱い舌先で弄られると声は止まらなくなった。
さっきは大丈夫、なんて言ったくせに、ドキドキしすぎて心臓が飛び出しそうだ。
昔からずっとお隣さんで、京くんのことを全部知っている気になっていたけど、ベッドの上の京くんは今まで見たどの彼よりも、強引で、獰猛な目をしていた。
きゅん、とお腹の奥が反応したのを見透かしたように、彼の手が下に伸びる。
すでに全部脱がされていた、と思い当たった時には、無防備なふとももの間に手が入った。
「ンんん! そんなとこ、だめ。汚いっ」
「桃に汚いところなんてないよ」
「でもっ……」
考えてみれば今日は朝から普通に仕事をしている。汗もかいたし、色々まずい。
そんなところを、こんなに美男子な京くんに触れられるなんて、自分で自分が許せなくなりそうだ。
「だめ、だめッ。やっぱりシャワー浴びる!」
「俺は桃が好きだって言ったの覚えてない?」
「覚えてるけど」
「桃の全部が好きなんだよ。桃の声も、桃の匂いも、桃の汗だって」
「でもっ……ふぁっ!」
次の瞬間、宙に浮いた私の脚を京くんが自分の肩に乗せる。
何をされるのかと思ったら、お尻の下に手を差し込んで引き上げ、彼は顔を近づけた。
そして、その中心の蕾に唇で触れる。
「だめだめだめだめーーーーーー!」
思わず叫んで足をばたつかせても、京くんの唇は離れない。余計に舌先で刺激を与えるように下から舐めて、強く吸いたてる。
「あ、あああっ……っんくぅ!」
目の前がチカチカと瞬く。愛液がたくさん出ているのが自分でも感じられた。
京くんがそんなところに触れるだけでも恥ずかしいのに、まさかこんなことをされるなんて信じられなかった。
そして自分があっさり絶頂を迎えてしまったことも……。
京くんはベタベタになった口元を嬉しそうに拭って、脱力している私に言う。
「ほら、全然汚くなんてないよ」
「ふぇ……」
「桃? 嫌だった?」
「だって、そんなこと京くんが……するから。き、気持ちよすぎて。私、一人でイッちゃって……」
「うん、桃が気持ちよさそうで俺も嬉しかったよ」
「これまで自分で触っても全然気持ちよくなかったのにぃ……!!」
思わず言うと、京くんが驚いた顔をしてから笑う。
「桃、自分で触ったことがあるんだ」
「エッチな漫画読んで気持ちいいのかなって思って触ったことがある。でも、全然こんなんじゃなくて……だからすぐやめちゃった」
「素直だなぁ、本当にかわいい」
クスクス笑いながら京くんは私に口づけた。そして、そっと手を太ももの間に入れて、少し硬い指先で濡れた場所に触れる。
クチャ、と恥ずかしい音がして、また彼は目を細める。
「初めてだもんな。でも、これだけ濡れてるならもう指も入れてみようか」
「指? アァッ……な、なに?」
下腹部に初めての圧迫感があって、眉を寄せてしまう。
「俺の指が入ってるんだよ。痛い?」
「痛くない、んっ……でも、変な、カンジッ」
「よかった。ここの中ね、桃と同じですごく素直でかわいい」
京くんが言いながら、中で指をゆっくり回す。
自分の中に他人のものが入っている感覚。それが京くんの指だと思うと、恥ずかしいのと、なんだかいけないことをしている気持ちが半々になる。
困っていると、突然、また彼が顔を寄せた。
「ふぁあああッ!」
指をゆっくり抜きさししながら、その上の小さな突起を吸いたてる。
さっきより強い快感に身体が震える。ビクビクッと二回身体が跳ねた時、指が二本に増やされた。
強すぎる初めての刺激に涙が一筋、頬に流れる。
「あっ、ふぅん……ん……」
「桃のここ、ぎゅうって掴んでくるのがかわいい」
京くんの人差し指と中指が強弱をつけて中を擦る。反応してしまうところばかり選んで触れられているようで、気持ちよすぎて泣きたくなる。さっきまで、指を入れた経験も、入れられた経験もなかったくせに。
「あ、はぁっ……!」
「桃の声、もっと聞かせて」
やまない快感が怖くて手を伸ばしたら、片方の手をギュウ、と掴んでくれた。
「もう一回イッておこう」
「あ、あッ……あああアンッ!」
敏感な突起を強く吸われ、またチカチカと目の前が瞬く。
ずっと反っていた背中がベッドについた時、二本の指が抜かれると、じゅぽッと音がして、中から粘着質な液体が溢れた。
その時、京くんが妖艶に指を舐め、邪魔だとばかりに自分の服をすべて脱ぐ。それを見ただけで心臓がドキンッと音を立てた。
京くんは後ろを向く。私は整わない息のまま、彼の挙動を見つめていた。
彼はサイドボードから小さな袋を取り出すと、最後に残っていたトランクスを片手で脱ぎながら、もう片方の手と口を使って袋を破いた。
「あ……それって」
「知ってた?」
「うん」
素直に頷くと、京くんは優しく微笑む。
そして私をじっと見て、「桃は見ておきたい?」と聞いてくる。
何が? と首を傾げると、彼は自身の太ももの間の剛直を指さす。慌てて激しく首を横に振った。
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