ホテル王は貴女のすべてを独占する

ホテル王は貴女のすべてを独占する

「とにかく、独り占めしたい。それだけだ」

あらすじ

「とにかく、独り占めしたい。それだけだ」
 話題のホテル王、藤崎佑真からの依頼で、一年間限定の専属インテリアコーディネーターに抜擢された紗奈。
 それぞれの仕事に真剣な互いに惹かれあい、ある夜一線を越えて以来、佑真は紗奈にまっすぐな独占欲を向けるようになる。

 だがホテル王を射止めた女として業界の話題をさらった紗奈のことを、他の男も放ってはおかず……。

作品情報

作:花音莉亜
絵:まりきち
デザイン:RIRI Design Works

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 ●1
「田上《たがみ》さん。一年間、フジサキグループの専属コーディネーターをやってくれないか?」
「フジサキグループって、あの有名なホテルの……ですか?」
 営業部長に出勤早々声をかけられ、オフィス内の応接室で個別の人事異動を受ける。一年間の専属コーディネーターという件もだけど、配属先がフジサキグループということに驚きを隠せなかった。
「そうだよ。今話題のホテル王、藤崎《ふじさき》佑真《ゆうま》社長がいるところだ」
 部長は得意げに言うと、私に分厚いA4サイズの資料を差し出した。
「細かいことは、このマニュアルに書いてある。よく読み込んで、ぜひ成果を上げてきてほしい」
「は、はい。分かりました」
(これ、全部読むの!?)
 二百ページはあるそれは、フジサキグループ専用のマニュアルだった。赴任するのは半月後。
 それまでに、この資料を読み込んでおかなければならない。なにせフジサキグループは、今をときめく人気ホテルを展開している企業だからだ。業務の失敗は、絶対に許されない──。

 私、田上紗奈《さな》は、大手建築会社『立花建築』に勤めている。個人宅や企業のオフィスビルの建築を手がけるほか、リノベーションも請け負っている。
 私はインテリアとエクステリアのコーディネートを主に担当しており、クライアントの要望に従って内装や外装を一緒に考えることが仕事だ。
 細かな話し合いが必要であり、クライアントと接する時間は営業と同じくらい多い。そして、ときにはクライアント企業に出向をすることもある。
 今回私は、その出向を命じられたのだった。
「フジサキグループに出向とか、本当に羨ましいなぁ」
 隣のデスクにいる千佳《ちか》が、不意にため息交じりに言った。彼女は私の同期で、同じくコーディネーターの仕事をしながら、事務の仕事も掛け持っている。
「うん……。たしかに名誉ではあるけど、その分プレッシャーが半端ないよ。認めてもらえなかったら、途中リタイアも有り得るし」
 千佳とは違う重いため息をついた私は、マニュアルを取り出しパラパラとめくる。出向を命じられて一週間になるけれど、その間同じコーディネーターたちからはとても羨ましがられていた。
 フジサキグループは、ホテルの他にも高級レストランも経営していてとにかく勢いがある。自分の実績にこの会社が加わるのはかなりプラスなことだけれど、それだけ大変な環境のはずだ。クライアントの要望に応えきれず、途中で契約切れになり担当を外されたコーディネーターは何人もいる。
 フジサキグループがどれだけ厳しいかは分からないけれど、甘いわけがないと思っていた。
「紗奈なら大丈夫よ。若手ナンバーワンのホープじゃない」
「ちょっと照れるけどね。ただ、クライアントに恵まれた部分もあるから」
 肩をすくめてみせると、千佳は小さく笑う。そして、椅子を寄せて声を潜めた。
「ホテル王の藤崎さん、かなりイケメンって噂よ? 楽しみじゃない」
「ちょっと、千佳ってば。仕事で行くのよ?」
 千佳の囁きに、思わず慌ててしまう。同期の中でも一番華があり、営業の男性たちのファンも多い彼女らしい発言だ。
「そんなの分からないじゃない。一年も近くにいるんだから、藤崎さんとプライベートでお近づきになれるチャンスは絶対にあるわよ。いっそのこと、狙っちゃえば?」
「無理よ、無理」
 美人でモデルのようにスタイルがいい千佳と違い、私は小柄で動物に例えると子犬のようだと言われたりする。
 女性らしい色気とは程遠い私が、ホテル王と名高い藤崎さんを狙うなんて身の程知らずだと思う。
「最初から、諦めるなんて紗奈らしくないわよ。たしか、藤崎さんって三十歳だったはず。頑張ってみなよ」
「うん……。頑張るのは、仕事だけにするわ」
(三十歳ってことは、私たちより五歳年上か……)
 悪気のまったくない好意だと分かっているけれど、苦笑せざるを得ない。入社して三年目、まだまだ下っ端の私は、恋愛より仕事を優先しなければいけないのだから。
 千佳は、私の返事をつまらなさそうに聞くと、パソコンに向き直り仕事を再開させた。そういえば、有名なホテル王と呼ばれているとはいえ、藤崎さんがどんな人なのか顔すら知らない。
 ネットで検索すれば出てくるだろうけど、あと二週間で会えるのだし、お楽しみに取っておこうか。仕事の合間にマニュアルをチェックしながら、少なからず千佳の言葉に影響されているなと反省した。

「初めまして。立花建築の田上紗奈と申します。一年間、どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。フジサキグループのCEOと、ホテル部門の社長をしている藤崎佑真です」
 無事にフジサキグループに出向になった初日、応接室に通された私は目の前の男性に釘づけになってしまった。
 それは不覚としか言いようがないくらい、しばらく言葉を発するのも忘れ呆然としたほど。そして、千佳が囃し立てた意味が理解できた。
 初めて見る藤崎さんは、想像していたよりずっと眉目秀麗な男性だった。スラっと背が高く、一八〇センチは余裕であるだろう。
 手足が長く、肩幅が広い。逞しすぎるほどがっちりとした体格ではなく、スマートなスタイルをしていた。
 整った顔立ちで、誰からも好感を持たれそうな甘さと爽やかさを兼ね備えたルックスをしている。
「よろしくお願いします。この一年、こちらのホテルでお世話になります」
 今日から、勤務場所はこのホテルなのだから、藤崎さんの見た目に動揺している場合ではない。
 気を取り直し、彼とソファに座る。それにしても、向かいに座る藤崎さんは、なんて足が長いのだろう。
 ソファの高さでは、完全に藤崎さんの足が余っているように見える。ダークグレーのスーツもよく似合っているし、ホテルという華やかな職業だからか、一般的なビジネスマンよりヘアスタイルがラフな気がした。
 明るすぎない栗色で、とても垢抜けた印象……。
「あの、田上さん。俺は、あまり好みの雰囲気じゃないですか?」
 クスクスと笑いながら言われ、ハッと我に返る。目を細める藤崎さんの顔は、より甘さが増した。
「い、いえ! でも、どうしてですか……?」
 初対面だというのに、なにか失礼な態度があっただろうか。おずおず尋ねると、彼は微かな笑みを浮かべて答えてくれた。
「田上さんの眉間、深いシワができていましたよ」
「えっ!? す、すみません。そんなつもりじゃなかったんです」
 どちらかというと見惚れていたのに、そんな苦い表情をしていたのか。つくづく、自分の可愛げのなさが悲しくなる。
「それなら安心ですが。ずっと、俺を硬い表情で見ていらしたので、気に入らない部分があったのかなと心配しました」
「そんなことはありません。本当に、失礼いたしました」
 肩を小さくし、ひたすらお詫びをするしかない。こういうところがあるから、私は恋愛面での男性とのご縁が極端に少ないのだ。
 藤崎さんは口にしてくれたからよかったけれど、誤解されて不快に思われたままの人もきっといるだろう。
「いいですよ、そんな申し訳なさそうな顔をしなくても。こちらこそ、すみません。初対面の女性に、少し意地悪でしたね」
「いえ、そんな……」
 三十歳の若さでホテル王になった人だから、どれほど取っつきにくい人だろうと想像していた。
 だけど、実際の藤崎さんはとても親しみやすい。それとも、初めて会うから気を遣って和ませてくれているのだろうか。
「あの……。藤崎さんはCEOもされていますが、社長とお呼びして差支えないでしょうか?」
 実は、彼がグループのCEOをまでしているとは知らなかった。マニュアルにだって、ホテル業の社長としか書かれていない。
 もう少し、藤崎さんのことを調べておくべきだったと猛省する。
「構いませんよ。従業員は社長と呼んでいますが、田上さんの場合はお好きに呼んでください。藤崎さんのままでもいいですし。それでは、ホテルの部屋を案内します」
 穏やかな表情を見せた藤崎さんは、立ち上がるとドアへ向かった。その彼の背中を見ていると、妙に罪悪感が募っていく。
「ふ、藤崎社長!」
 大きな声で呼び止める必要はないのに、一人で勝手に気持ちを昂らせてしまった。彼のほうも驚いたように、目を大きくさせて振り返る。
「どうしました?」
「実は……。ホテルのことは事前に調べて勉強をしてきたのですが、藤崎社長のことは不勉強でした。グループのCEOということすら存じ上げなくて。申し訳ありません」
 マニュアルに書かれている内容しか、彼のことを把握していなかった。それで十分かと思っていたけれど、実際に会った藤崎社長があまりに親しみやすく、もっと調べておけばよかったと後悔したのだ。
 きっと、もっと会話が弾んで仕事の滑り出しも違ったかもしれないのに。
「ハハハ。いいですよ。そんなことを気にしなくて。俺は、立花建築さんにホテルのの相談をしたんです。ホテルのことを調べてくれたのなら、それで十分ですよ」
 大きな声で笑った社長は、さらに目を細めた。イメージしていた硬い雰囲気とは違い、こんなに親近感のある人だったことに戸惑いを隠せなかった。
「ですが……」
「それなら、俺の自己紹介をしつつ、部屋を案内します。田上さん、こっちへ」
「は、はい」
 社長が向かった先は、客室へ上がるためのエレベーターではなく、奥にあるものだった。途中、ホールを横切るときに少し周囲に目を配らせる。
 ここは、新幹線も止まる駅から近い高級ホテルということもあり、観光客やビジネスマンを主なターゲットにしているようだ。
 そのため、全体的に照明は控えめでラグジュアリー感がある。絨毯は深紅のもので統一され、噴水やグランドピアノが置かれていた。
 とても大人の感じがする、落ち着いた雰囲気だ。
「ここは、従業員が利用するエレベーターです。全フロア、ここからアクセスできます」
 社長がボタンを押すと、扉が開く。二人で中へ入ると、彼は最上階より一つ下の階、三十七階のプレートを押している。
「この階は、レストランが入っていますよね?」
「ええ。そうです。でも実は、この階の奥に俺の執務室があるんですよ」
「そうなんですか!?」
 てっきり、一階の事務室辺りに社長の部屋もあるのかと思っていたのに、こんな高層階にあることにびっくりしてしまう。
 驚きを隠さなかった私に、社長はどこか誇らしげな顔をしている。
「最初は、みんな驚くんですよ。でも、俺なりの拘りがあるんです」
 そう会話している間にも、エレベーターが三十七階へ到着した。エレベーターが開いた場所は、廊下の隅でお客さんとは鉢合わせしないように配慮されている。
 長い廊下の向こうがレストランエリアになっていて、わずかに香ばしい匂いがした。
「こっちです」
 社長はレストランエリアに背を向けて、非常口に近いところのドアを開けた。目に飛び込んできたのは、市街地を見下ろせる開放感溢れる部屋だ。
 自然光が差し込み、とても明るい。それに、まるで客室のような雰囲気になっている。
「素敵なお部屋ですね。宿泊部屋と同じような感じですか?」
 ふかふかの絨毯は小花模様になっていて、デスクや椅子はヨーロッパのアンティークものを思わせる木製で、部屋のイメージと合っている。
 ソファセットも、同様のデザインだ。
「そうなんです。違いは、ベッドがないくらいですね。ここは、うちのホテルのエグゼクティブスイートルーム仕様になっています」
「そうなんですか?」
 まじまじと周囲を見渡すと、奥にシャワールームが見える。たしかに、ベッドルームがないだけの少し小さめのスイートルームといった感じだ。
「こうやって、客室の雰囲気を日々味わうようにするんです。そうすると、いいところはもちろん、改善点も見えてきたりするんですよ」
 社長は窓辺に立ち、景色を見渡している。これだけ見晴らしがいいと、夜はとてもロマンチックな景色になるのだろう。
「そういうことなんですね。凄いです……。さすが、社長がホテル王と呼ばれる意味が、分かったような気がします」
 きっと、彼の日々はホテルを中心に回っているのだろう。社長はもっと組織的な考えの人かと思っていたけれど、今のところはそれほど強く感じない。
「ホテル王と呼ばれるのは光栄ではあるんですが、それならその名にふさわしいホテルを経営していかないといけないですよね」
 歩みを進めた藤崎社長は、部屋の比較的中央にあるソファへ私を座るよう促した。会釈をして腰を下ろすと、程よい柔らかさで座り心地がいい。
 社長は向かいに座り、あらかじめテーブルに置いてあったタブレットの電源を入れた。すると、フジサキグループのホテルの写真がスライドショーのように流れてくる。
「これは、うちのホテルの中でも主要なものです。フジサキグループは、百十五の国や地域にホテル展開をしています」
「はい。ホテル数でいえば、六千軒を超えられているんですよね?」
 この辺りは、予習でばっちりだ。
「ええ。大小様々な形態があります。その国の特性にあったホテル構えだったりしますが、今回立花建築さんにお願いしたいのは主要ホテルの外装と内装です」
 ホテルの話をする藤崎社長は、それまでの柔和な眼差しから一転、真剣な目で話をしてくれる。
 あたり前だけれど、彼のホテルにかける情熱の高さに私の気も引き締まる思いだ。
「はい。そのように説明を受けています。たしか、三つのホテルですよね?」
「そうです。さすがに全部のホテルを……というわけにはいかないので、モデルホテルを作ろうと思っています」
「モデルホテル?」
 ホテルを一から作るわけではないと聞いているけれど、具体的にはどういうことだろう。詳細を掴みきれないでいると、社長が三枚の写真を画面に出した。
 それは、ひとつは海が眺められる場所に建つホテル、もうひとつは森の中、そして最後はグループの中でも一番高級感のあるホテルだった。
「これは、実際のうちのホテルです。けっして出来栄えが悪いホテルとかではないですが、もう少し工夫がほしいなと思っています」
「工夫といいますと?」
 外観の写真から、周辺の雰囲気やロビー、客室までを流すように映してもらう。パッと見た限りでは、気になるようなものはないけれど……。
「ひとつでいいんです。なにか、インパクトが欲しいんですよ。田上さんは、山名《やまな》グループをご存じですか?」
「はい、もちろんです。フジサキグループとは、ライバル企業さんですよね。フジサキグループに追随しているとか」
 それに関しても、しっかりと勉強してある。山名グループは、山名秀和《ひでかず》さんという副社長がおり、父親が社長を務める御曹司だ。
 たしか、藤崎社長と同じ年齢だったはず。フジサキグループには一歩及ばないものの、同じくホテル経営で手腕を発揮し最近はメディアで取り上げられることも多い。
「実は、そこの副社長である山名くんは、同業者ということもあり顔見知りで。友人というほど絆が固いわけではないのですが、他人というには近い存在なんです」
「そうなんですか?」
 そこはリサーチ不足だった。同業種で同学年なのだから、顔見知りであっても全然不思議はないのに。
 親しいほどではなく、でも他人というには近いというくらいだから、それなりに難しい距離感なのだろう。
「ええ。このところ、山名グループのホテルがピックアップされているのですが、あちらのホテルは、どちらかというとエグゼクティブ層より大衆向けが多いんです」
「たしかに……。思い返せばそうですね」
 テレビなどで紹介されるホテルは、ファミリー向けや一人旅などに最適な可愛くて機能的なものが多い。
 その分、宿泊料もリーズナブルで人気が上昇していた。
「うちは、エグゼクティブ層から少し手を伸ばせば宿泊できる雰囲気まで、今のスタイルを崩すつもりはありません」
「はい」
 藤崎社長の言うとおりで、フジサキグループには他にはない魅力がある。徹底されたセレブリティな客室は、富裕層はもちろんのことプチ贅沢をしたい若者にも定評がある。最近は誕生日などの記念日に、高価な部屋に泊まるファミリーも増えていると聞いていた。
「だから、山名グループの真似ごとをするつもりはないのですが、うちのホテルの一部では魅力に欠けるところもあるのもたしかです」
「そういうお声があるってことですか?」
 控えめに聞くと、彼は小さく頷いた。
「田上さんは、先代の社長……、つまり俺の父が亡くなっているのはご存じですか?」
「はい、もちろんです。ニュースで聞いたときには、とても驚きました」
 社内でも、話題になったから覚えている。闘病をしていた藤崎社長のお父さんは、六十代という若さで亡くなったのだ。
 それから、息子である藤崎社長が社長職に就任したとも聞いていた。
「実は、父はとてもセレブリティな雰囲気が好きで、ここみたいな大型ホテル以外の比較的小さなホテルでも、その感じを崩さなかったんです」
「私にも、そういうイメージです」
「でしょう? でも、それだとリゾートホテルでは浮いてしまうというか、お客様の期待とはそぐわないことに、この一年で気づきました」
 そうか。そういえば、先代の社長が亡くなって一年が過ぎている頃だ。藤崎社長も、その間にホテルを視察したのだろう。
 さすがに一人で……ということはないだろうけど、彼を支える周囲の人にはどんな人がいるのか。
(今のところ、レセプションの女性以外に紹介された人はいないし……)
 いわゆる“右腕”のような存在がいるのか、妙に気になってしまった。彼はとても有能な人だと噂されているけれど、まだ三十歳だ。
 すべてをやりこなすには、いくらなんでも負担だと思うけれど……。
「では、ご紹介いただいたこの三ホテルについて、インテリアやエクステリアの面でご支援をさせていただきます」
「よろしくお願いします。海外にも似たようなホテルがあるので、こちらを参考にして、いずれは国外のホテルもリノベーションしていきたいと思っています」
「そうでしたか。分かりました。心得て、頑張っていきます」
 だから、モデルホテルだと言ったのかと納得する。それならば、私もいつも以上に気合いを入れないといけない。
「それじゃあ、部屋を案内しますね」
 社長が立ち上がり、思わず目を丸くした。
「え? こちらが、ご紹介してくれるお部屋だったのでは?」
 客室とほぼ一緒と言っていたから、この執務室を見せてくれることが目的だと思っていたのに。呆然とする私に、彼は柔和な笑みを浮かべた。
「本当の客室を、ご案内しますよ。ここの客室が、全フジサキホテルの基準ですから」
「は、はい。よろしくお願いします」
 彼のあとをついていくように、私は小走りで執務室を出た。

(――つづきは本編で!)

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